検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

TM-2孔のコアを用いたAE法による初期応力測定

None

畑 浩二*

Hata, Koji*

揚水式地下発電所や大断面トンネルのような大規模地下構造物を構築する場合、地盤の初期応力を事前に把握しておくことは重要である。対象地山の初期応力状態を把握しておくことにより、合理的な設計・施工を実施することが可能になる。具体的には、地下構造物の最適な形状、位置ならびにレイアウト方向の選定を支援することが可能になる。我が国では、初期応力測定にオーバーコアリング法や水圧破砕法が主に利用されてきた。しかし、これら原位置で実施される方法は手軽に実施できるという状況にはなく、かつ非常に高価なものであった。一方、室内で実施可能な方法の一つにアコースティック・エミッション法(以下、AEと略す)がある。この方法は、原位置試験法に比べて非常に簡単で、安価に実施できる特徴を有している。AEとは材料内部に蓄えられたエネルギーの一部分が音響パルスとなり伝播することから、材料内の組織構造変化を把握する有力な手段になりうる。岩石のAEには「カイザー効果」と呼ばれる現象が確認されている。カイザー効果とは、履歴荷重を受けた材料に載荷する際、先行荷重値を越えるまでAEはほとんど発生しない現象である。地山の初期応力は履歴応力と考えられることから、カイザー効果を利用すれば初期応力が評価できることになる。本研究では、東濃鉱山の300m$$times$$300m$$times$$深度200m程度の領域内における初期応力状態を把握するため、TM-2孔から採取されるボーリングコアを利用して鉛直方向の初期応力分布状況をAE法を用いて測定した。得られた結果の概要を以下に示す。(1)凝灰質砂岩では、しきい値を230mV、210mV、感度を90dBに設定することによりカイザー効果を確認した。(2)花崗岩では、しきい値を450mV、430mV、感度を80dBに設定することによりカイザー効果を確認した。(3)鉛直方向の初期応力成分$$sigma$$vと土破りHとの間には、$$sigma$$v=0.022$$times$$Hなる関係のあることが判明した。

None

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.