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DH-2孔のコアを用いた土岐花崗岩の異方性に関する室内試験

Differental Strain Curve Analysis on Toki Granite Taken from Drill Hole DH-2

加藤 春實*

Kato, Harumi*

岩石コアを用いた初期応力測定手法の一つであるDSCA(Differential Strain Curve Analysis)法を、DH-2孔の10深度から採取した岩石コアに適用し、瑞浪超深地層研究所建設予定地付近の岩石の力学的異方性の程度およびその要因となるマイクロクラックの3次元的分布特性を定量的に評価した。得られた知見をまとめると以下のようである。(1)DH-2孔から採取された土岐花崗岩の固有線圧縮率の異方性の大きさは10%から27%であった。ただし、異方性の大きさとは、固有線圧縮率の最大値と最小値の差の全平均値に対する比である。(2)クラック密度に関するパラメータ$$Delta$$$$beta$$$$_{I}$$, ($$Delta$$$$beta$$/$$beta$$$$^{l)}$$$$_{I}$$, $$eta$$$$_{OI}$$およびマイクロクラックの量は、深度200mから370m付近まで深度とともに増加した。(3)($$Delta$$$$beta$$/$$beta$$$$^{1}$$)$$_{I}$$から最小主値を基準として求めた初期応力比は、ばらつきはあるが$$sigma$$$$_{1}$$/$$sigma$$$$_{3}$$は 1.4$$sim$$3.1、また$$sigma$$$$_{2}$$/$$sigma$$$$_{3}$$は1.2$$sim$$1.9の範囲に分布した。(4)クラックパラメータ$$Delta$$$$beta$$$$_{I}$$, ($$Delta$$$$beta$$/$$beta$$$$^{l)}$$$$_{I}$$および$$eta$$$$_{OI}$$の最大主値の走向はN-SからNW-SE方向に分布する傾向が認められた。これは、正馬様用地内から採取された岩石コアのマイクロクラックの分布傾向とおおむね一致した。(5) $$Delta$$$$beta$$$$_{I}$$と(($$Delta$$$$beta$$/$$beta$$$$^{l})$$)の最大主値の鉛直方向からの傾きは、深度300mよりも浅いところから採取された試料では60度以上傾斜しているが、深度300mよりも深い深度から採取された試料では60度よりも小さかった。このことから、深度200mから深度300mは逆断層型か横ずれ断層型、深度300mよりも深い深度は正断層型に近い初期応力環境であることが予想された。これらの知見は、瑞浪超深地層研究所計画における岩盤力学モデルを構築する際の基礎的な情報となる。

no abstracts in English

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