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仮想的垂直二次元水理地質モデルに基づく我が国の水理特性の検討

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内田 雅大; 岡本 二郎*

Uchida, Masahiro; not registered

本報告書の目的は、現状の知見に基づきニアフィールドでの水理及び天然バリア中での核種移行を評価する上での条件となる我が国の水理特性の範囲をモデル解析によって導出するとともに、種々のパラメータの影響を評価することである。地下水理は、様々な要因によって支配されるが、このうち特に、地下深部の岩体の透水係数については測定例が少なく、詳細な解析を実施可能な地域は限定されざるを得ない現状である。他方、原子力委員会が策定した「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発の重点項目とその進め方」においては、我が国における地層処分の技術的実現可能性を、地域を特定することなく幅広く示していくことが求められている。上記の要件を考慮し、地域に固有の特性を合理的な範囲で包絡可能な水理条件に基づいた流動解析を行うことによって水理パラメータを評価することとした。本報告書で記述する水理解析は、最も不確実性の大きい因子と考えられる地下深部の岩体の透水係数が解析結果の暖昧さにつながることを避けるため、動水勾配を水理条件の尺度として捉えることとした。また、保守的な動水勾配を得るために、地層は地表まで飽和されており、我が国の急峻な地形がそのまま固定水頭として地下水流動の駆動力となる様な仮想的な概念モデルを採用することとした。本報告書においては、以下の要因について我が国における地形を整理し、保守性が担保されるような選択を行うことにより水理地質モデルを構築した。(1)地形断面形状として山頂標高、山体斜面の勾配、平野規模(2)境界条件としての領域背後の高山の影響、海側あるいは塩淡境界の影響、谷側においては隣接する水系との干渉(3)透水係数分布としての表層、断層の効果上記の要件を組み合わせることにより、19ケースのモデルを構築し、FEMWATERを用いた垂直二次元定常流動解析を行った。その結果、急傾斜の斜面を挟む2本の断層を想定した場合、急傾斜の斜面、高透水性の厚い表層、平野規模の小さい場合等では、動水勾配の最大値が増加する傾向を示した。逆に背後に高山が存在するケース、2本の断層が存在する場合の一部等では、動水勾配の最大値が減少する傾向を示した。また、動水勾配としては0.01から0.61の範囲であった。

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