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不均質多孔質媒体中の水理・物質移動に関する研究(III) -先行基礎工学分野に関する平成10年度報告書-

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中川 啓*; 神野 健二*; 井尻 裕二; 亘 真吾; 畑中 耕一郎; 内田 雅大

Nakagawa, Kei*; Jinno, Kenji*; Ijiri, Yuji; Watari, Shingo; not registered; Uchida, Masahiro

高レベル放射性廃棄物地層処分システムの核種移行に対して、数値シミュレーションによる検討が行われるが、分散係数はその重要なパラメーターである。処分の行われる地層自体は、透水係数などの水理パラメーターに関して不均一性を有しており、これにより分散係数も変動する。以上のような点をふまえ、本研究では不均一浸透場における物質の移流分散挙動を明らかにするための基礎的な知見を得るため、浸透場の不均一性に起因する巨視的な分散に関する検討を行った。本研究は平成8年度から平成10年度にかけて九州大学とサイクル機構(旧動燃)と共同で実施した。平成8年度は、トレーサー輸送に対する数値計算モデルの妥当性について室内試験結果と比較することにより検討した。また、不均一浸透場におけるトレーサーの移流分散挙動と巨視的分散のメカニズムについて詳細に検討した。平成9年度は、帯水層の構成材料に基づく微視的な分散とこれらの不均一な分布に起因する巨視的分散や選択的流れなどとの相互作用について数値実験により検討するとともに積分特性距離と巨視的分散が収束するまでに必要な流下距離や流下時間との関係をまとめた。また、室内での単孔式トレーサ試験を実施し、トレーサの移行距離と分散長の関係について検討した。平成10年度は、巨視的分散係数は、トレーサーの流下距離に応じて初期に直線的に増加し、遷移領域を経て一定値に収束する。この場合、観測井戸におけるトレーサーの分散がどのような段階にあるのかを知る必要性があるため、トレーサー試験の結果と解析解の濃度時系列に関して適合度検定を適用して判別する方法を検討した。また、注入井戸と観測井戸の透水係数の鉛直分布、及び観測井戸におけるトレーサーの破過曲線を用いた浸透場の特性評価についても検討した。また、ドイツのHorkheimer Inselで行われたトレーサー試験に対して、この浸透場の特性評価方法を適用した。その結果、観測井戸内の数値計算によるトレーサーの時系列と観測結果は、概ね同じ傾向を示し、不均一浸透場発生モデルのパラメーター調整する本手法の妥当性を示した。本報告書では上記した3年間(平成8年度$$sim$$平成10年度)の九州大学とサイクル機構の共同研究成果を取りまとめた。

no abstracts in English

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