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原位置トレーサー試験の逆解析による核種移行特性の不確実性評価(II)

The Evaluation of the uncertainty of the solute transport with the inversion analysis of in-situ tracer tests

畑 明仁*; 井尻 裕二*; 大石 雅也*; 杉原 豊*

Hata, Akihito*; Ijiri, Yuji*; Oishi, Masaya*; Sugihara, Yutaka*

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価においては、モデルやデータの不確実性を評価することが重要な課題の1つとなっている。特に、天然バリア中核種移行評価においては原位置で実施された様々な調査結果に基づきモデルやデータが設定される。しかしながら、天然バリアは本来不均質であるにもかかわらず調査数量は限られ、調査結果には多くの不確実性を伴う。したがって、天然バリア評価において、原位置調査結果から推定されるモデルやデータの不確実性を定量的に評価する手法を確立する必要がある。このような観点から、一昨年度はツール開発の一環として、核種移行解析コードLTGを対象とした逆解析コードの開発を行い、続けて昨年度はSKBのASPO HARD ROCK LABORATORY(HRL)で行われたTRUE試験結果に対し開発プログラムを適用し、逆解析の同定精度やデータ及びモデルの不確実性の定量的評価に関する検討を行った。本年度は、逆解析コードの適用実績を広げ、その信頼性を向上させるために、昨年度のSKB ASPO HRLとは異なるNAGRAのGrimsel Test Siteで行われたMI試験結果に対し、昨年と同様な手順で逆解析を行い同様の検討を行った。その結果、昨年のTRUEに対する結果と同様に、比較的容易に精度良くパラメータが同定できること、観測値と計算値の誤差に起因する不確実性は、試験条件やモデルの設定条件に起因するパラメータの不確実性に比べて極めて小さいこと、モデルの良否を選択する基準として情報量基準を用いれば、もっとも同定精度の高いモデルを選択できることが明らかとなった。

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