緩衝材の流出/侵入特性(II)-幌延地下水(HDB-6号孔)を用いた緩衝材の侵入特性評価-

Extrusion and Erosion of Bentonite Buffer (II) -Evaluation of Extrusion Process of Bentonite Buffer in Horonobe Groundwater(HDB-6)-

松本 一浩*; 棚井 憲治 

Matsumoto, Kazuhiro*; Tanai, Kenji

高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリア埋設後においては、緩衝材の物理的安定性に影響を及ぼす事象の一つとして、緩衝材の流出挙動が考えられる。緩衝材の流出挙動は、岩盤亀裂中への侵入現象と、亀裂へ侵入したベントナイトゲルの地下水による浸食現象の二つの現象によるものと考えられており、この現象を実験により定量的に把握する必要がある。本報では、これまでに得られた侵入現象の降水・海水系地下水条件における挙動の把握を踏まえ、より現実的な地質環境条件下での挙動を把握するために、幌延深地層研究計画の一環として実施されている試錐調査で採取された実際の地下水(幌延地下水HDB-6号孔)を用いた挙動の把握を行った。また、侵入現象モデルの妥当性の検討および構築に資するため、非破壊検査技術を適用した侵入密度分布の把握を行った。浸食現象に関しては、緩衝材を起源とするベントナイトコロイドの生成量に関して、海水系地下水を模擬し、人工海水ならびに幌延地下水相当のイオン強度に調整したNaCl溶液を用い、挙動の把握を試みた。

The extrusion and erosion of bentonite buffer is one of the important issues on physical stability of bentonite buffer in the HLW geological disposal. This report provides the results of the measurement on the extrusion behave of bentonite buffer with Horonobe underground water (HDB-6) and on the applicability of X-ray CT to evaluate the extrusion behave of bentonite buffer. The erosion test was carried out will NaCl solution water control to Horonobe underground water and control to the artificial seawater.