高速炉の構造健全性に関する基礎的研究,II
Fundamental study on the integrity assessment of LMFBR structures, II
朝田 泰英*
Asada, Yasuhide*
この報告書は昭和63年度に(社)日本溶接協会が動力炉・核燃料開発事業団より受託し、原子力研究委員会FCCII小委員会において実施した「高速炉の構造健全性に関する基礎的研究(II)」の研究成果を取りまとめたものである。本研究は、昭和58年度から61年度の4年間に実施した「高速炉構造材料の疲労き裂進展挙動特性に関する試験研究」の成果を、高速炉の構造健全性評価手法の確立に向けて発展させるための第二段階に当たる。材料試験レベルで確立されたクリープ疲労き裂進展特性の、実構造部材への適用可能性を確認するために、高速炉実構造部材の力学的、幾何学的特徴を研究用にモデル化した部材を対象として、き裂伝播挙動の実測と、その高精度化、及び当該き裂のJ積分、J'積分の高精度、高効率解析法を開発することを目的とし、実施するものである。本研究で対象としたモデルは、1.未貫通き裂を有する有限幅平板が膜力、又は曲げモーメントを受ける場合、2.構造不連続部に貫通き裂を有する有限幅平板が膜力を受ける場合、3.未貫通円周き裂を有する管が曲げモーメントを受ける場合、4.き裂を有する曲り管が曲げモーメントを受ける場合の4ケースである。まず、昭和62年度は研究基盤の整備と予備的研究を目的とし、各試験体モデルについて、対象材料をSUS304鋼、温度650度Cでの繰返し負荷の条件の下で、き裂進展挙動試験、き裂寸法変化の電位差法による測定試験及び非弾性解析によるJ積分、J'積分の評価解析による評価と簡易解析、評価法の調査を行なった。昭和63年度は、短時間クリープ疲労き裂進展挙動の評価を目的とし、各試験体モデルについてき裂進展データの収集ならびに有限要素解析(FEM)や境界要素解析(BEM)による予測・評価を行った。また電位差解析に基づく表面き裂計測の高度化やJ積分簡易解析法の実構造部材への適用性についても検討した。
no abstracts in English
- 登録番号 : GJ0919890022
- 抄録集掲載番号 :
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