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粒子法による熱流動解析の研究(II)

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岡 芳明*; 越塚 誠一*

Oka, Yoshiaki*; Koshizuka, Seiichi*

液体金属冷却高速増殖炉では、液体金属ナトリウムをほぼ常圧下で冷却材として用いており、冷却系の機器内に自由液面を有している。また、冷却材の使用温度範囲が広いため、熱応力をなるべく低減するために構造物を薄肉にする必要がある。そのため、自由液面におけるスロッシングやこれと構造物との相互作用、あるいは流れに励起される流体-構造物連成振動などに関連した問題が生じやすい。しかしながら、これまでの数値解析法では、自由液面や構造物の大変形を扱えるものが無かった。マクロ粒子を用いて連続体の数値解析を行なうMPS法(Moving Particle Semi-implicit Method)では、連続体が大きく変形し、そのトポロジーまで変化してしまう場合でも適用することができる。これまでの研究で、非圧縮性流れの計算アルゴリズムの開発を行ない、自由液面での砕波を伴う流れの数値解析を行なった。本年度はこれを発展させ、流体-構造相互作用の計算法を開発し、薄肉の弾性壁によって構成されるタンク内のスロッシングの数値解析を行なうことを研究目標とした。まず、剛体壁で構成された2次元矩形タンクに周期的な外力を与えることによる有限振幅のスロッシングの計算を行ない、既存の実験データと比較した。水位が浅い場合の共鳴周波数は線型理論から導かれるものよりも大きくなるが、計算でもこれが再現され、得られた振幅は定量的にもよく一致した。水位が深い場合には線型理論とほぼ同じ共鳴周波数になり、計算でもこれが再現されたが、実験と比較して得られた振幅の定量的な一致はあまり良くなかった。弾性壁については、片持ち梁の自由振動の計算を行ない、固有周波数が理論解と一致することを確認した。これらの計算により、流体計算および構造計算の妥当性がそれぞれ検証された。次に、矩形タンクの左右の垂直壁を弾性壁としたスロッシングの計算を行った。弾性壁の振動によって高次のスロッシングモードが発生するなど、剛体壁の場合と異なる挙動が計算された。本研究により、MPS法に基づいた自由液面と構造物の大変形を伴う流体-構造相互作用数値解析法が開発された。

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