摸擬燃焼燃料を用いた高燃焼度燃料の熱物性及び機械的性質に関する基礎的研究(III)-先行基礎工学分野に関する平成12年度報告書(最終報告)-
None
山中 伸介*; 宇埜 正美*; 黒崎 健*; 山本 一也
; 滑川 卓志
Yamanaka, Shinsuke*; Uno, Masayoshi*; Kurosaki, Ken*; not registered; Namekawa, Takashi
本研究は、実燃料を用いての測定がきわめて難しい高燃焼度MOX燃料の熱物性及び機械的特性を予測評価するため、模擬MOX燃料物質を用いた物性測定による固体状FP蓄積の影響評価と化学平衡計算、分子動力学法、有限要素法解析などの計算機シミュレーションの両面から、評価手法としての基礎的な事項について研究を実施したものである。本研究により、熱物性及び機械的特性の予測評価に関して、高速炉MOX燃料の高燃焼度化に対して有益な以下の基礎的な知見が得られた。・模擬MOX燃料母材に、燃料中に固溶するFPであるジルコニウムとネオジムを添加した模擬燃焼燃料を合成し、熱伝導率は母材の熱伝導率と添加元素濃度から近似的に評価できること、弾性定数と硬度はFPが固溶することによって大きく減少することが示唆された。・燃料中で酸化物として析出する代表的なFP相であるBaUO3,BaZrO3,BaCeO3について、いくつかの物性値と機械的特性の間に存在する相関関係を調べると、BaZrO3とBaCeO3は比較的UO2に近い挙動を示すが、BaUO3は全く異なり、比較的単純な結晶構造でありながらむしろ熱伝導率、機械的特性共に石英ガラスに近い相関関係があるという興味深い結果が得られた。・UO2とPuO2の格子定数,熱膨張率及び圧縮率といった基礎的な物性データから分子動力学法によってMOX燃料の比熱、熱伝導率といった物性を評価することができ、高燃焼度MOX燃料の物性を予測する手法として分子動力学法の計算機シミュレーションは有効なツールとなり得ることが分かった。・MOX燃料ペレットの熱伝導率に与えるFP析出相の影響を有限要素法解析によって評価し、約10at.%の燃焼度に相当するFP析出相が燃料ペレットの熱伝導率に与える影響は、固溶FPが与える影響と比べて一桁程度小さいことがわかった。
no abstracts in English