検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

酸回収蒸発缶モックアップ装置の解体評価成果報告書

None

安田 均*; 野高 昌之*; 萬谷 健一*; 上窪 文生*; 降矢 喬*; 市川 史郎*

Yasuda, Hitoshi*; Nodaka, Masayuki*; Mantani, Kenichi*; Kamikubo, Fumio*; Furuya, Takashi*; Ichikawa, Shiro*

硝酸中で40,000時間の運転を完了したTi-5Ta製およびZr製の酸回収蒸発管モックアップ装置から試験片を採取し、機械的性質、減肉量の測定および表面状態の評価を行った。評価結果の概要は以下のとおりであり、Zrと比較するとTi-5Taの方が腐食速度は大きいが、いずれも十分な耐食性を有していると判断される。(1)機械的性質:Ti-5TaおよびZrとも、評価部位により測定値に差異があったが、装置製作時の加工方法の違いによるものと考えられ、40,000時間の運転に起因する顕著な材料強度等の低下は認められなかった。(2)肉厚測定:Ti-5Taは、硝酸蒸気に曝されるベンド配管(最大0.09mm/y)、蒸発部塔頂部(最大0.07mm/y)での腐食速度は他の部位(0.02mm以下)よりも腐食速度は大きくなっている。Zrはほとんどの部位で腐食速度は0.01mm/y以下であった。(3)表面粗さ測定:Ti-5Taでは、肉圧測定結果と同様ベンド配管および蒸発部塔頂部で表面粗さは他の部位よりも大きくなっており、全面腐食に起因するものと考えられる。また、溶接部は母材部よりも表面粗さが大きく、溶着金属部の方が全面腐食が進行していると推定される。ZrはTi-5Taよりも表面粗さは小さい。また、部位による表面粗さの差異はなく、溶着金属部の粗度は母材部と同程度であった。(4)断面ミクロ観察:Ti-5Taには、ベンド配管および蒸発部塔頂部で全面腐食による表面の凹凸が認められ、溶着金属部の方が母材部よりも凹凸は大きくなっているが、粒界腐食などの局部腐食は生じていない。Zrでは凹凸形状がほとんど認められず、健全であった。(5)表面SEM観察:Ti-5Taには、ほとんどの部位で腐食生成物と思われるスケールが付着しておりベンド配管及び蒸発部塔頂部ではスケールの堆積が大きい。一部の部位で全面腐食による表面部の肌荒れが観察されたが、局部腐食は生じていない。Zrはスケールの付着量が少なく、腐食がほとんど進行していない。(6)元素組成分析:Ti-5Taの表面皮膜にはTiO$$_{2}$$とSiO$$_{2}$$が混在しており、この他に耐食性向上に寄与するとされているTa$$_{2}$$O$$_{5}$$の存在が確認された。また、溶接部にも不動態皮膜が形成されていた。ZrではZrO$$_{2}$$とSiO$$_{2}$$の他に伝熱管から上部連絡管にかけてTiO$$_{2}$$が検出された。Zrに認められた白色スケールはSiO$$_{2}$$及びTiO$$_{2}$$皮膜やZrO$$_{2}$$皮膜の上に付着しているようである。

None

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.