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エポキシ樹脂注入による亀裂開口幅の測定について

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赤堀 邦晃; 内田 雅大

Akahori, Kuniaki; Uchida, Masahiro

高レベル廃棄物を地層処分する場合に想定される地下水シナリオにおいて,結晶質岩盤の場合には,岩盤中の亀裂が主要な物質移行経路であると考えられている。地下数百メートルの地下深部に存在する亀裂岩盤は,高岩圧下にあると考えられ、この亀裂岩盤中を流れる地下水を模擬した室内試験を行う場合には,垂直荷重を負荷しなければならない。そして,この室内試験で用いる単一亀裂中の亀裂開口幅を測定する場合においては,垂直荷重を負荷した時の亀裂開口幅を測定しなければならない。筆者らは,垂直荷重を1辺50cmの立方体の人工単一割裂岩に負荷した後,エポキシ樹脂を単一亀裂中に注入し,エポキシ樹脂が固化した後,試験岩体をスライス片に切断して,その切断面を拡大して直接的に亀裂開口幅の測定を行った。この結果,エポキシ樹脂は,亀裂開口幅の測定可能な下限である約0.016mmの亀裂にも浸透しており,垂直荷重を負荷した際の亀裂開口幅の測定手法として有効な手法であることが確認された。また,亀裂開口幅の測定に先立って同一の試験岩体を用いて,亀裂性媒体水理試験設備(LABROCK)を用いた水理試験を行い,単一亀裂の透水性と垂直応力の関係について調査した。さらに,亀裂ネットワークモデルの単一亀裂面の開口幅の不均質モデルを用いて水理解析を行った。この結果,Witherspoonらが提案する修正三乗則について,水理試験からは,抵抗係数fc=6,水理解析からは,抵抗係数fG=37が求まった。水理試験結果と水理解析の結果について,Witherspoonらが提案する修正三乗則の抵抗係数が異なることは,今回,スライス片の内部の亀裂開口幅の測定が不可能であったため,亀裂の閉塞領域を示すために十分な測定点がなかったためであると考えられた。このことは,測定された開口幅データにおいても,わずかしか閉塞したデータが,取得されていないことからも示唆される。しかし,今後亀裂面の全面にわたり亀裂開口幅を測定すれば,亀裂開口幅分布のモデル化が可能であると考えられ,今後,亀裂面の全面にわたり亀裂開口幅を測定する手法について確立する予定である。

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