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イオンビームによる新しい表面改質材料の研究開発

Surface modification of materials by ion beam technology

林 和範; 斉藤 淳一  ; 舘 義昭  ; 加納 茂機; 平川 康 ; 吉田 英一; 瀬口 忠男*; 笠井 昇*

Hayashi, Kazunori; Saito, Junichi; Tachi, Yoshiaki; Kano, Shigeki; Hirakawa, Yasushi; Yoshida, Eiichi; Seguchi, Tadao*; Kasai, Noboru*

高速炉環境で使用される材料には、冷却材である液体ナトリウムに対する耐食性が求められる。そこで、金属材料およびセラミックスの耐ナトリウム腐食性向上のため、イオンビーム技術を用いた表面改質の研究開発を行っている。対象とした材料は、既存のSUS316FRおよびMod.9Cr-1Mo鋼、耐熱合金のNb-1Zr、セラミックスの炭化珪素およびサイアロンである。炭化珪素およびサイアロンについては、モリブデン、鉄およびハフニウムイオン注入、イオンビームミキシングによるモリブデンおよび鉄成膜を行い、また金属材料については、窒素イオン注入を行った。試験片は、823K(550$$^{circ}$$C)および923K(650$$^{circ}$$C)のナトリウム中に、1000時間および4000時間の浸漬試験を行った。以下に得られた結果を示す。(1)セラミックスへのイオン注入550$$^{circ}$$Cまたは650$$^{circ}$$Cのナトリウム浸漬試験の結果、一部の試験片に、腐食減量の減少およびナトリウム侵入の抑制が見られ、イオン注入の効果が明らかになった。炭化珪素については、モリブデンおよびハフニウムイオン注入により、未処理材に比べ、腐食減量の減少が見られた。サイアロンについては、モリブデン、鉄およびハフニウムイオン注入で、未処理材に比べて腐食減量の減少がみられた。これは、特に長時間浸漬試験、または650$$^{circ}$$Cのナトリウム浸漬において顕著であった。(2)セラミックスへのイオンビームミキシング成膜種々の成膜条件により、炭化珪素およびサイアロンに、モリブデンまたは鉄成膜を行い、ナトリウム浸漬試験を行ったところ、ほとんどすべての試験片で、皮膜剥離が生じた。しかしながら、皮膜の残存部の解析から、550$$^{circ}$$Cのナトリウムに対しても、モリブデンおよび鉄皮膜は、侵入のバリアとなることが明らかとなった。今後、皮膜の密着性を改善する必要がある。(3)金属材料への窒素イオン注入窒素イオン注入により、SUS316FR、Mod.9Cr-1Mo鋼およびNb-1Zrの表面硬度は上昇し、この上昇割合は、注入量および注入イオンのエネルギーが高い程大きい。窒素イオン注入量が少ないときは、窒素は格子間に入り込み母格子を歪ませるが、注入量が多くなると、窒化物を形成する。

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