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ナトリウム漏洩燃焼形態の予測手法に関する研究

Prediction of sodium leakage and combustion phenomena

岡 芳明*; 越塚 誠一*

Oka, Yoshiaki*; Koshizuka, Seiichi*

液体ナトリウムの漏洩燃焼挙動を予測することは、液体金属冷却高速増殖炉の安全性にとって重要である。なかでも、漏洩規模が小さい場合には、周囲の障害物や気流の影響などを受けやすい。落下する液体ナトリウムは分裂・飛散するなど変形が著しいだけでなく、燃焼・堆積など様々な作用が加わる複合問題である。従来の差分法は計算格子を用いる必要があるため、流体の分裂・飛散を扱うことが非常に難しく、液体ナトリウムの小規模漏洩の数値解析はできなかった。一方、MPS法(Moving Particle Semi-implicit Method)は東京大学によって開発された新しい数値解析手法で、流体をマクロ粒子の集まりで表現し、支配方程式をこれと等価な粒子間相互作用に置き換えて計算する。計算格子を必要としないので、流体の分裂・飛散を容易に扱うことができる。また、流体の動きが粒子の動きと同じであり、燃焼・堆積などの作用を組み込むことが容易であると考えられる。そこで本研究の目的はMPS法を用いた比較的小規模のナトリウム漏洩燃焼形態の予測手法の開発である。具体的には、流体として常温の水を用いた小規模ナトリウム漏洩模擬実験を行なうとともに、同じ条件で3次元MPSコードによる数値解析を行なった。水を用いた模擬実験では、まず3種類の漏洩口と4種類の漏洩量の組合せで、漏洩口における漏洩形態の観察を行った。漏洩口や流量の影響はあまり見られず、いずれの場合も流体が塊に分裂しつつ落下する様子が観察された。次に、空調ダクト模擬物を配置して、漏洩水の落下位置分布を10x10cm区画の落下水受けを用いて測定した。漏洩水のうち約85%はダクト表面を伝ってダクト下部に落下した。残りの15%はダクト前方に飛散した。3次元MPSコード及びそのポストプロセッサーは動燃によって開発され、これを用いて模擬実験の条件で数値解析を行なった。ダクト前方に飛散する水の落下分布はおおよそ実験と一致したが、ダクト表面を伝う流れについては計算されなかった。それは漏洩量が少なく、水を表す粒子数が少ないため、粒子間相互作用が適切に働かなかったためと考えられる。

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