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中性子繊維回折法による細いフィラメント中のトロポニンサブユニット配置の解析

Analysis of Troponin-subunits arrangement within the thin filament with neutron fiber diffraction

藤原 悟; 松本 富美子*; 高橋 伸明

Fujiwara, Satoru; Matsumoto, Fumiko*; Takahashi, Nobuaki

骨格筋・心筋の収縮制御は細いフィラメント中のトロポニン(Tn)-トロポミオシン(Tm)系により行われている。Ca$$^{2+}$$のTnCへの結合から始まるTnI, TnT, Tmの一連のコンフォメーション変化である筋収縮制御の初期過程の分子機構の理解のためには細いフィラメント中でのTnサブユニットのそれぞれの構造を知ることが重要である。われわれは、その第1段階として、重水素化TnC(dTnC)を用いて細いフィラメント中におけるTnCの構造を中性子散乱及び繊維回折法により調べた。今回、TnCに続いてTnIの重水素化を行い、dTnIを含む再構成細いフィラメント(dTnI-RTF)及びnativeな細いフィラメント(NTF)のそれぞれについてCa$$^{2+}$$を含む/含まない状態の配向試料を、キャピラリー封入した試料ゾルを18Tの磁場中(理研播磨・前田構造生物化学研)に静置することにより調製し、その中性子繊維回折測定を行った。測定は日本原子力研究開発機構所有の中性子小角散乱装置SANS-Jを用いて行った。得られた回折像から子午線上に観測されるTn由来の反射を抽出し、その3次反射までの振幅を計算した。Ca$$^{2+}$$の有無のそれぞれについて、dTnI-RTF及びNTFの振幅の差が観測された。これらの散乱振幅及びdTnCの実験から得られた散乱振幅について、細いフィラメント繊維軸への1次元投影構造モデルを用いた解析を行い、Tn複合体中におけるTnC及びTnIの配列について議論した。

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