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シロイヌナズナDNA損傷乗り越え複製にかかわる${it AtREV1}$及び${it AtREV7}$に関する研究

Study of ${it AtREV1}$ and ${it AtREV7}$ involved in the translesion synthesis in Arabidopsis

高橋 真哉*; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*; 佐藤 修正*; 加藤 友彦*; 田中 淳

Takahashi, Shinya*; Sakamoto, Ayako; Shimizu, Kikuo*; Sato, Shusei*; Kato, Tomohiko*; Tanaka, Atsushi

植物はその生育・生存のために太陽光を必要とするが、太陽光には生物に悪影響を及ぼす紫外線(UV-B)をも含んでいる。UV-B照射は生物体に対してシクロブタン型ピリミジン二量体などのDNA損傷を引き起こし、DNA複製を阻害するなど重篤な障害を与える。植物はUV-Bによる影響から身を守るために幾つもの防御機構を備えており、DNA損傷の修復機構はその一つである。本研究ではTLSで機能する${it AtREV1}$${it AtREV7}$の遺伝子破壊系統の単離,解析を行い、さらに${it AtREV1}$について生化学的解析を行った。まず、白色光に弱いUV-Bを付加した長期間の照射条件下で${it rev1-1}$, ${it rev3}$, ${it rev7-2}$を生育させたときの生育阻害について観察したところ、いずれの変異体も野生型と比較してほぼ同程度に地上部の生育阻害が見られた。${it AtREV1}$${it AtREV7}$は、UV-B照射下での植物の生育に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。次に、AtREV1タンパク質がDNA損傷乗り越えを行うかどうかをみるために、大腸菌過剰発現系を用いてAtREV1組み換えタンパク質を作成し活性測定を行った。G, A, T, Cを含む鋳型DNAを使用し、dGTP, dATP, dTTP, dCTPを基質としてprimer extension法により活性測定を行った。その結果すべての鋳型DNAに対してCの挿入活性が見られた。これらの結果は、AtREV1がデオキシシチジル酸トランスフェラーゼ活性を持つことを示している。今後これらについてさらに研究を進めていくことで、植物のUV-B耐性機構の解明をより一層進むことが期待される。

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