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高強度7-fsレーザーパルスによって誘起されたメタノール中の水素移動ダイナミクス

Ultrafast hydrogen migration dynamics in methanol induced by 7-fs intense laser pulses

板倉 隆二; Liu, P.*; 古川 裕介*; 山内 薫*; 中野 秀俊*

Itakura, Ryuji; Liu, P.*; Furukawa, Yusuke*; Yamanouchi, Kaoru*; Nakano, Hidetoshi*

近年、強レーザー場によって励起された炭化水素中の水素原子は、自由に動き回り,水素移動,水素交換,水素分子生成など、多岐に渡る反応過程を起こすことがわかってきた。本研究では、光の周期を数サイクルしか含まない7-fsのレーザーパルスを用いて、メタノール中で起こる高速水素移動ダイナミクスについて調べた。2体のクーロン爆発過程に着目したところ、以下の二つの反応径路が観測された。反応(1)は、直接C-O結合が切断される経路,反応(2)は、水素が炭素側から酸素側へ移動した反応経路である。つまり、7fsという極めて短いレーザーパルスを用いても、水素移動が可能ということが明らかになった。フラグメントイオンのレーザー偏光方向に対する角度分布は、反応(1), (2)ともに、偏光方向から30$$sim$$40度ずれたところにピークを持つ。レーザーパルスが極めて短いときには、(i)動的な配向過程を起こさせるトルクが十分でなく、(ii)非段階的イオン化の寄与が大きくなり、段階的なイオン化の寄与が抑えられる。観測された角度分布は、HOMO軌道とC-O軸の角度を反映したものである。一方、レーザーパルス幅を21fsまで長くすると、角度分布は偏光方向に偏ってくるが、直接C-O結合の解離(1)の方が水素移動反応(2)よりも、偏光方向への偏りの度合いが大きい。この違いは、解離するまでの動的な配向過程もしくは2価イオンへのイオン化過程が、二つの反応径路で異なっていることを意味している。

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