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Observation of nanodomains in model biomembranes using small angle neutron scattering techniques

小角中性子散乱法によるモデル生体膜上のナノドメインの観測

増井 友美; 今井 正幸*; 浦上 直人*

Masui, Tomomi; Imai, Masayuki*; Urakami, Naohito*

生体膜における側方相分離である脂質ラフトは機能性タンパク質を集積し、生化学的に重要な反応に関与している。しかし、顕微鏡法による直接的な観測ではその存在は確認されておらず、顕微鏡分解能以下の約数十ナノメートル程度の動的なドメインであることが知られている。一方、脂質ラフトの組成に着目し、コレステロール,飽和脂質,不飽和脂質から成るモデル生体膜では脂質ラフトに類似したドメインが観測される。モデル生体膜上のドメインはマイクロメートルサイズであり安定なため顕微鏡によって直接的に観察される。このように、脂質ラフトとモデル生体膜上のドメインの間には約1000倍のサイズの差が存在する。顕微鏡手法では、分解能の限界からナノメートルサイズのドメインの観察はできない。そこで、本研究ではナノメートルスケールの空間分解能を持つ小角中性子散乱法を用いてモデル生体膜上でのドメイン形成を追跡した。その結果、モデル生体膜上でナノメートルサイズのドメインが存在することを明らかにし、その安定構造がモノドメイン構造であることを明らかにした。さらに、散乱強度と示差走査熱量測定による解析から脂質分子のゲル・液晶転移がドメイン形成を誘起することを明らかにした。

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