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非二本鎖切断型クラスターDNA損傷の生物効果

Biological effect of non-DSB clustered DNA damage

鹿園 直哉

Shikazono, Naoya

クラスターDNA損傷は、電離放射線によってDNAへリックス二回転中に二つ以上の損傷が生じるものとして定義される。われわれは、その生物効果に関してはいまだほとんど不明である、二本鎖切断以外(non-DSB type)のクラスターDNA損傷に注目し、合成損傷による細胞内での変異生成を調べるアプローチを試みた。塩基損傷として、8-oxo-7,8-dihydroguanine(8-oxoG)とdihydrothymine(DHT)を用い、大腸菌野生株もしくはグリコシラーゼ欠損変異株(${it fpg, mutY, nth, fpgmutY, fpgmutYnth}$)に導入した。誘発突然変異は8-oxoGが制限酵素 ${it Bsm}$AIの認識配列内にあることを利用して、制限酵素で切断されない断片として検出した。その結果、8-oxoG単独に対し、8-oxoGがDHTとクラスター化することで突然変異頻度は実際に高まることが見いだされた。突然変異頻度は${it fpg, nth}$においては野生型と同程度と低かったが、${it mutY}$においては非常に高くなり、${it fpgmutY}$では、変異頻度が35%前後までさらに高まることが明らかとなった。これらの結果から、(1)損傷のクラスター化によりFpg活性は阻害されること,(2)DHT鎖の複製の阻害が変異頻度の上昇に関与すること,(3)8-oxoGとDHTのクラスター損傷の変異誘発抑制にはMutYが重要な役割を果たすこと、が示唆され、クラスター損傷が持つ高い変異誘発効果及びその変異誘発機構に対する手がかりが示された。

no abstracts in English

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