大深度立坑における湧水抑制対策としてのポストグラウト試験施工

Post-grouting test to reduce water inflow into deep shaft

久慈 雅栄; 佐藤 稔紀  ; 原 雅人; 見掛 信一郎 ; 南出 賢司

Kuji, Masayoshi; Sato, Toshinori; Hara, Masato; Mikake, Shinichiro; Minamide, Masashi

瑞浪超深地層研究所では、現在大深度の立坑を掘削中であるが、この立坑掘削に伴い多量の湧水が発生し、施工上の課題の一つとなっている。解決策の一つとして、湧水をできるだけ抑制することが必要と考えられ、ここでは実績の多いグラウト工法を基本にすることとした。既に掘削が終了した範囲については、ポストグラウト工法があるものの、その事例は非常に少ない。そこで、本報告では立坑におけるポストグラウト工法について基本検討を行い、それに基づいて試験施工を行った。検討の結果、覆工からカバーロックを兼ねた無注入区間を確保し、その先で一時的な止水領域を形成し、その外側に本格的な注入を行うこととした。今回は、立坑1/4周の試験施工区間を2か所設け、このうち1か所で注入仕様を定め、残り1か所でその仕様に基づいた注入による効果を確認した。その結果、試験後の注入範囲内ではルジオン値及び透水係数ともに1/5程度に低減し、湧水はほとんど認められないなど、今回のポストグラウト試験施工は比較的良い結果が得られたと判断される。

In the Mizunami Underground Research Laboratory (MIU), two 1,000m-deep shafts and several research galleries are being constructed. Water inflow into the shafts during shaft sinking is disturbing the project progress. As a countermeasure for this problem, post-grouting is being considered and post-grouting test has been undertaken in one of the shafts. This report gives an outline of the work plan and results of the post-grouting test.