高純度トリチウムを用いた金属-水界面における水素同位体移行挙動に関する研究,1

Hydrogen isotope transfer behavior on water-metal boundary using pure tritium, 1

林 巧; 中村 博文; 磯部 兼嗣; 小林 和容; 山西 敏彦; 須田 泰市*; 奥野 健二*

Hayashi, Takumi; Nakamura, Hirofumi; Isobe, Kanetsugu; Kobayashi, Kazuhiro; Yamanishi, Toshihiko; Suda, Taichi*; Okuno, Kenji*

水素同位体の金属-水界面での移行挙動は、界面の物理化学的構造と水素及び酸素との相互作用により大きく変動し得る。これらの現象の理解は、ブランケットや熱交換器等での冷却水へのトリチウム透過など核融合炉のトリチウムの安全取扱上、非常に重要であるが、系統的な実験結果は報告されていない。本研究では、まず比較的水素移行挙動がよく理解されている純鉄配管と高純度のトリチウムを用い、トリチウムの金属から水中への移行挙動を水中でのトリチウムの存在化学形を監視しながら連続測定した。その結果、(1)界面の酸化膜の成長により、金属から水へ移行する水素同位体の存在化学種が水素状から水状へと劇的に相対変化する。酸化膜を機械的に除去すると一時的に水素状トリチウムが増加。(2)純鉄-水界面にマグネタイトが成長しても水素同位体透過防止効果を促進しない。(3)パージガス種を変えても大きな変化はないこと、等が判明した。

no abstracts in English