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イオン化損傷と非イオン化損傷

Total ionizing dose and displacement damage dose

平尾 敏雄

Hirao, Toshio

MeV領域のエネルギーを有する陽子や重イオンが物質に入射したとき、そのエネルギーのほとんどは電子励起を伴う非弾性散乱によって失われるが、一部は原子と弾性衝突を起こし、その原子をはじき出すことに費やされる。前者は、イオン化等によって入射粒子が単位距離あたり損失するエネルギー(dE/dX)であるLET(Linear Energy Transfer)で記述され、このLETと飛程の積がイオン化で損失されるエネルギー(Ionizing Energy Loss)に当たる。後者の非イオン化によって入射粒子が単位距離あたり損失する平均的なエネルギーはNIEL(Non-Ionizing Energy Loss)と呼ばれ、照射量とNIELの積がはじき出しで損失するエネルギーに相当し、はじき出し損傷量(Displacement Damage Dose)と呼ばれている。半導体素子の放射線劣化の解析では、放射線の種類、エネルギーに依存しないNIEL及びはじき出し損傷量の概念が用いられ、特に太陽電池の放射線劣化メカニズム解明に広く使用されている。発表では、放射線が半導体素子に及ぼす相互作用の目安であるNIEL及びはじき出し損傷量の概念を述べるとともに、これらを用いて行われている半導体素子の放射線劣化メカニズム解明について説明し議論する。

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