植物オルガネラmRNAにおけるエディティング部位とタンパク質立体構造の関係

Correlation between RNA editing sites of plant organelle mRNAs and the three-dimensional structures of encoded proteins

由良 敬; 郷 通子*

Yura, Kei; Go, Michiko*

植物のオルガネラでは、DNAからmRNAへの転写後に、mRNAの塩基が酵素によって変換される場合がある。RNAエディティングとよばれるこの現象では、大部分のRNAエディティングは、mRNA上に一見ランダムに存在し、タンパク質の機能部位とは関係がないアミノ酸残基を編集する。このことからRNAエディティングは、一部の例外を除いて、タンパク質の機能には影響がないと考えられている。そこでわれわれは、今までに報告されているRNAエディティング部位を集め、mRNAとタンパク質のどのような部位が編集されるかを調べた。データを収集した結果、植物のオルガネラでは、365遺伝子中に1923部位のRNAエディティングを見いだすことができた。タンパク質の立体構造がわかっている場合(755部位)において、RNAエディティングによって変化するアミノ酸残基は、タンパク質立体構造形成に重要なヘリックスやコア構造を構成アミノ酸残基である場合が非常に多いことが判明した。タンパク質は立体構造を形成して初めて機能することより、このことはRNAエディティングが立体構造を通してタンパク質の機能に間接的に影響を及ぼしていることを意味する。

DNAs of Plant Organelles undergo RNA editing, a transcript repair mechanisms. Those RNA editing sites seems to be located uniformly on pre-mature mRNA. This previous finding suggested that RNA editing has nothing to do with protein function. In this study, we challenged this idea based on our new database gathering all the known RNA editing sites combined with protein three-dimensional structures. We gathered 1923 RNA editing sites out of 365 pre-mature mRNAs. We have investigated and found a good correlation between the site undergoing RNA editing and protein three-dimensional structure. The finding may suggest mechanisms and evolution of RNA editing.