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放射線による加硫ゴム表面の親水化とその応用

Improvement of hydrophility of vulcanized rubber surface by radiation grafting

溝手 範人*; 片貝 秋雄; 玉田 正男

Mizote, Norihito*; Katakai, Akio; Tamada, Masao

自動車用ワイパーゴムは、払拭摩擦の低減や耐磨耗性の向上のためにハロゲン処理が行われているが、ゴム表面の柔軟性が低下し、降雨時のガラス追従不良による払拭性の低下が生じる。本研究では放射線グラフト重合法により加硫ゴム表面の親水化を行い、摩擦低減と払拭性の双方の向上が可能なワイパーゴム表面処理技術について検討した。2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のグラフト重合は、水を溶媒として用い、モノマー濃度30$$sim$$70wt%,照射線量10$$sim$$20kGyの範囲で電子線同時照射グラフト重合法によって行った。HEMAのグラフト率は照射線量の増加に伴い上昇し、モノマー濃度70wt%で1.8%に達した。HEMAをグラフトした加硫ゴム表面の接触角は、モノマー濃度70wt%,照射線量20kGyの条件で70$$^{circ}$$まで低下し、その時のグラフト率は1.8%であった。これらの結果からHEMAの電子線同時照射グラフト重合により加硫ゴム表面の親水化が可能であることがわかった。次にHEMAをグラフトした加硫ゴム表面の摩擦係数のグラフト率依存性を検討したところ、グラフト率の増加に伴い摩擦係数は低下し、その値はハロゲン処理を下回ることが確認できた。また、ウェット状態でゴム表面が軟化することにより、ワイパー雨滴払拭時のガラス追従性向上による高い払拭性が得られ、HEMAのグラフトによる親水化処理は、従来にない摩擦低減と払拭性の双方を向上するワイパーゴム表面処理技術として有望であることがわかった。

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