SUS304鋼のクリープ試験中に蓄積されたひずみと相変態

Relationship between phase transformation in SUS304 stainless steel and strain stored in it during creep tests

白木 厚寛*; 和田 巧*; 村田 純教*; 森永 正彦*; 高屋 茂  ; 小山 敏幸*

Shiraki, Atsuhiro*; Wada, Takumi*; Murata, Yoshinori*; Morinaga, Masahiko*; Takaya, Shigeru; Koyama, Toshiyuki*

高温構造材料として用いられるオーステナイト系ステンレス鋼SUS304では、500-650Cにおけるクリープ試験材に強磁性相が生じることが知られているが、その変態機構は不明な点が多い。この現象を理解するには、組織自体のエネルギー変化を明らかにすることが有効であると考えられる。そこでまず本研究では、クリープ中に試料内に導入され、室温にもちきたされたひずみエネルギーを転位密度の測定により評価し、強磁性相出現との関連を調べた。その結果、ひずみエネルギーは、寿命比が0.2-0.6の範囲でほぼ一定であるもののクリープ試験時間の進行とともに単調に増加すること,炭化物周辺での局所的な転位密度の増加が認められることなどが明らかになった。また、寿命比0.2程度から強磁性相が出現することが報告されており、本研究の結果はクリープにより蓄積されたひずみと強磁性相の発生が直接的に関連することを示唆している。

no abstracts in English