ナノ粒子分散強化オーステナイト鋼の創成の基礎研究; 照射欠陥クラスター形成に及ぼすナノ酸化物粒子分散の効果

Fundamental study for development of austenitic ODS steel; Effect of nano-particle dispersion on radiation-induced defect formation

山下 真一郎   ; 大塚 智史   ; 渡部 雅*  ; 内多 陽介*; 須田 孝徳*; 橋本 直幸*; 大貫 惣明*; 柴山 環樹*

Yamashita, Shinichiro; Otsuka, Satoshi; Watanabe, Masashi*; Uchida, Yosuke*; Suda, Takanori*; Hashimoto, Naoyuki*; Onuki, Somei*; Shibayama, Tamaki*

耐熱性・耐照射性に優れるSUS316相当鋼(PNC316)を母材としたオーステナイト系ナノ粒子分散強化鋼開発の基礎研究の一環として、アトライター式ボールミル方式で機械的に合金化した試作材の照射試験を行い、微細組織変化を評価した。ナノ粒子分散強化試作材の照射後組織には、いずれの照射条件においても、照射により形成したボイド組織が認められた。また、これらボイド組織の大部分はナノ粒子界面に付着して存在していることも明らかとなった。微細組織観察データを統計的にまとめた結果から、ボイド径や数密度は照射温度に依存した傾向があり、照射下ではナノ粒子界面で優先的にボイド形成していることが示された。これらのことから、オーステナイト系母相中へのナノ粒子の最適分散により、既存のオーステナイト系ステンレス鋼以上のボイドスエリング抑制効果の可能性が示唆された。

no abstracts in English