幌延深地層研究計画における地質環境の長期安定性研究; 「断層活動」を対象とした調査の体系化の取り組み

An Approach to systematization of study on fault movement in the Horonobe area

常盤 哲也; 浅森 浩一; 新里 忠史  ; 安江 健一; 阿部 寛信 ; 前川 恵輔  

Tokiwa, Tetsuya; Asamori, Koichi; Niizato, Tadafumi; Yasue, Kenichi; Abe, Hironobu; Maekawa, Keisuke

地震・断層活動が地層処分システムに及ぼす影響については、岩盤の破断・破砕に伴う廃棄体の破壊や地下水移行経路の形成などが考えられており、地層処分システムの安全評価に際して、対象とする地域における断層の活動様式やその履歴を把握することが重要である。本報告では、断層の活動履歴・活動様式を円滑に把握するためのデータフローを提示するとともに、北海道北部に位置する大曲断層を対象としたデータフローの適用事例を示す。今回作成したデータフローでは、断層の活動履歴・活動様式を把握する際に必要と考えられるデータ項目を挙げ、各データを取得するために必要な調査項目を抽出した。また、各データ項目の詳細と、それを得るために必要な各調査項目の詳細について、それらのつながりを整理した。このデータフローを、大曲断層を適用事例として現在までに取得したデータと照らし合わせた結果、大曲断層については、最終活動時期などに関する情報の欠如が認められた。今回作成したフローは、評価したい断層の活動履歴・活動様式に関する情報の過不足をスムーズに明確化することができ、必要な調査手法の選定にも資すると考える。

In this report, we suggest the data flow for understanding of activities, history and occurrence of faults. This data flow mainly consists of data items and survey items, and shows a correlation among them. After we apply information on the Omagari Fault to this flow as case study, this flow indicates that recent activity of the Omagari Fault remains unanswered. This data flow is very informative for extracting insufficient data to understand the activities, history and occurrence of fault.