フェナントロリン-アミド型配位子の創製とその3, 4価アクチノイドイオン認識特性

Synthesis and their ion recognition properties of phenanthroline-aide type ligands for tri- and tetra-valent actinides

小林 徹 ; 矢板 毅; 鈴木 伸一; 塩飽 秀啓   ; 岡本 芳浩  ; 阿久津 和宏; 仲野 義晴*; 藤井 有起*

Kobayashi, Toru; Yaita, Tsuyoshi; Suzuki, Shinichi; Shiwaku, Hideaki; Okamoto, Yoshihiro; Akutsu, Kazuhiro; Nakano, Yoshiharu*; Fujii, Yuki*

アミド酸素とピリジル窒素を配位元素として併せ持つフェナントロリン-アミド型配位子(PTA)を合成し、そのアクチノイドイオン認識特性を検討した。その結果、高い酸濃度条件で3,4,6価アクチノイドを選択的に認識し、3価アクチノイドとの化学挙動が類似しているといわれているランタノイドからの分離能が、20から50程度あることがわかった。酸濃度領域で分離能に差が生ずる理由は、おもにアクチノイドの5f軌道と効果的に相互作用する2つの芳香族窒素部位と、全アクチノイド及びランタノイドに親和性を示す一つのアミド酸素による作用によっていると詳細な電子状態の検証から推定されている。また、この分離能が現れるためには、分子の構造上必要な要件があることも併せて見いだした。本講演では、PTAの分子設計及び合成法の確立,アクチノイド,ランタノイドの配位特性及びこれら元素の分離特性について発表する。

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