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Internal dynamics of actin detected by neutron scattering

中性子散乱により検出したアクチンの内部運動

藤原 悟; Plazanet, M.*; 松本 富美子; 小田 俊郎*

Fujiwara, Satoru; Plazanet, M.*; Matsumoto, Fumiko; Oda, Toshiro*

アクチンは、真核細胞に最も豊富に存在する蛋白質で、細胞運動や輸送等にかかわる実に多様な機能を持つ。アクチン単量体(G-アクチン)は重合して繊維状重合体(F-アクチン)を形成するが、多様なアクチンの機能は、種々の蛋白質との相互作用を可能とするF-アクチンの柔らかさに由来する。F-アクチンの柔らかさはアクチンの運動特性による。われわれはF-アクチンの柔らかさを理解するための第一段階として、アクチンの運動特性を、中性子非干渉性弾性散乱(EINS)及び準弾性散乱(QENS)法により測定した。EINS測定により見積もられたアクチン分子内の原子の平均自乗変位の温度に依存した振舞がG-アクチンとF-アクチンで異なることが示された。また、QENSスペクトルから、アクチン分子内の原子の運動は、制限された空間内における拡散運動と局所的なジャンプ運動の組合せとして記述できること、及びG-アクチンとF-アクチンの振舞が異なることが示された。これらの違いがアクチン分子内の動的不均一性によることが示唆された。

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