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X線光電子分光・X線磁気円二色性測定によるC$$_{60}$$-Co薄膜の電子・スピン状態解析

Electronic and spin states of C$$_{60}$$-Co thin films studied by XPS and X-ray magnetic circular dichroism

松本 吉弘; 境 誠司; 高木 康多*; 中川 剛志*; 横山 利彦*; 三谷 誠司*; 高梨 弘毅; 島田 敏宏*; 楢本 洋*; 前田 佳均

Matsumoto, Yoshihiro; Sakai, Seiji; Takagi, Yasumasa*; Nakagawa, Takeshi*; Yokoyama, Toshihiko*; Mitani, Seiji*; Takanashi, Koki; Shimada, Toshihiro*; Naramoto, Hiroshi*; Maeda, Yoshihito

フラーレン分子にコバルト原子が結合した化合物(C$$_{60}$$-Co化合物)中に、ナノサイズの直径を持つコバルト粒子(Coナノ粒子)が分散するC$$_{60}$$-Co薄膜で、有機分子-遷移金属からなる系では最大となるトンネル磁気抵抗(TMR)効果の存在を明らかにした。観測された磁気抵抗率(MR)の最大値(約90%)は、Co結晶のスピン分極率から期待される値(14%)と比べても非常に大きく、特異なスピン輸送現象の原因究明が待たれた。本研究ではX線光電子分光及び軟X線放射光による磁気円二色性測定を行い、薄膜中のC$$_{60}$$-Co化合物とCoナノ粒子を状態選別した電子・スピン状態情報を獲得した。得られた結果と磁気抵抗率との比較を行うことにより、C$$_{60}$$-Co薄膜での巨大TMR効果発現メカニズムを検討した。結果として、C$$_{60}$$-Co化合物に局在するスピン偏極状態の存在を明らかにした。同時に、C$$_{60}$$-Co化合物のスピン偏極を考慮したMRのモデル計算値(MRcalc)は、実験から得られた磁気抵抗率の大きさ(MR0)及びその温度依存性と一致することが明らかとなった。この結果はC$$_{60}$$-Co化合物の局在スピンによって、Coナノ粒子間を流れる伝導電子のスピン偏極状態が強い影響を受けていることを示している。

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