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$$beta$$-ジケトン部位を有するクラウンエーテルの分子内協同効果を利用したイオン液体抽出系

Intramolecular synergistic extraction using crown ether bearing b-diketone fragments in an ionc liquid

岡村 浩之   ; 下条 晃司郎   ; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親  

Okamura, Hiroyuki; Shimojo, Kojiro; Hirayama, Naoki*; Umetani, Shigeo*; Imura, Hisanori*; Naganawa, Hirochika

本研究では、$$beta$$-ジケトン部位を2つ有するクラウンエーテル(H2$$beta$$DA18C6)を新規に合成し、イオン液体へのストロンチウムイオン(Sr2+)の抽出挙動について検討した。また、比較のためにクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系,$$beta$$-ジケトン(HPMBP)単独系及び両者を単に混合させた系、さらにクロロホルムを抽出溶媒に用いた系についても検討した。クロロホルムを用いた場合、DBzDA18C6単独系及びHPMBP単独系ではSr2+の抽出は起こらないが、DBzDA18C6+HPMBP混合系において協同効果が働き、定量的な抽出が可能となった。またH2$$beta$$DA18C6系においても定量的な抽出が可能であったが、混合系との抽出挙動に大きな違いは見られなかった。一方イオン液体を用いた場合、HPMBP単独系では抽出されないが、DBzDA18C6単独系ではpHの増加とともに抽出が進行した。DBzDA18C6+HPMBP混合系はDBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、Sr2+の抽出においてHPMBPは関与していないことが示唆された。しかし、H2$$beta$$DA18C6の抽出能はDBzDA18C6+HPMBP混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側でSr2+の抽出が可能になった。これは、イオン液体系においてH2$$beta$$DA18C6の分子内で効率的に協同効果が発現し、Sr2+に対する抽出能が向上したものと考えられる。

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