絞り熱量計を用いた液滴クオリティ計測

Measurement of droplet quality by throttling calorimeter

玉井 秀定; 永吉 拓至; 上遠野 健一; 伊東 敬; 高瀬 和之

Tamai, Hidesada; Nagayoshi, Takuji; Katono, Kenichi; Ito, Takashi; Takase, Kazuyuki

自然循環運転による革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、上部プレナム内自由液面からの液滴キャリーオーバー特性の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。この液滴キャリーオーバー特性を実験的に把握し、機構論的な予測技術を開発するための基盤研究を、原子力エネルギー基盤連携センターの軽水炉熱流動技術開発特別グループにおいて進めている。本研究では、データベース構築のために、等エンタルピ変化を利用した絞り熱量計を用いて、圧力1.5-2.5MPa,蒸気見かけ速度0.4-1.9m/sの条件において、自由液面からの高さに対する液滴クオリティ分布を計測した。その結果、これまで試験データ点数が限られていた液滴クオリティが0.001より大きくなる高蒸気流束領域のデータを取得できた。新たに取得した高蒸気流束域のデータに関しても、圧力依存性,蒸気見かけ速度依存性,自由液面からの高さ依存性は従来の知見と同様であることがわかった。

The characteristics of carryover from free-surface in a natural-circulation BWR are an important subject to be resolved for economic and safe design of the reactor. In this study, droplet quality of the carryover in a test section with 0.12 m in diameter was measured using throttling calorimeter with pressure ranging from 1.5-2.5 MPa. The measured droplet quality increases with decrease in distance from free-surface and with increase in vapor volumetric flux, and these trends are similar to those of previous data.