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ヌクレオソームの自由エネルギー地形

Free energy landscape of nucleosome

河野 秀俊; 金枝 直子

Kono, Hidetoshi; Kanaeda, Naoko

真核生物のゲノムはヌクレオソームの形にラッピングされ、ほとんどのDNA結合タンパク質から隔離されている。これまでの研究により、ゲノム中のヌクレオソームの位置は、塩基配列特性,DNAのメチル化,ヒストン変異体,翻訳後修飾,クロマチンの高次構造,転写因子,クロマチンリモデラーなどによって影響を受けていることがわかってきた。DNAとタンパク質の物理的な相互作用によって実現されている遺伝子機能の発現を理解するには、ゲノムのどの部分のDNA配列がタンパク質と相互作用可能であるか、つまり、ヌクレオソームはどの位置にあるのか理解する必要がある。本研究では、ヌクレオソームコアの構成要素であるヒストンタンパク質とDNAの相互作用を非平衡系の分子動力学計算によって解析し、ヌクレオソーム構造形成の素反応の自由エネルギー地形を明らかにすることを目指す。また、ヒストン修飾によってその自由エネルギー地形がどのように変化するかを調べ、ヒストン修飾の意味を分子論的に明らかにする。得られた自由エネルギー地形は、ヒストン置換やヌクレオソーム再構築因子の働きを解明する際に、その解析基盤を与えることができるものと考える。このような解析は、一分子実験結果と直接比較できるのではないかと考えている。

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