大気マイクロPIXE分析システムを用いた生体内微量元素分布の可視化

Visualization of distribution of trace elements in biological tissues using in-air micro-PIXE

佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; 江夏 昌志; 山崎 明義; 石井 保行; 神谷 富裕

Sato, Takahiro; Yokoyama, Akihito; Okubo, Takeru; Koka, Masashi; Yamazaki, Akiyoshi; Ishii, Yasuyuki; Kamiya, Tomihiro

通常、PIXE分析で用いるイオンビームの径は数mmであるが、数mに集束したイオンマイクロビームを試料上で走査しながらX線スペクトルを収集すると、微量元素の分布が高空間分解能で得られる。このようなPIXE分析を、マイクロPIXEと呼ぶ。われわれは、細胞レベルの微小領域の微量元素分析を可能にするために、ビーム径0.25mという世界最高性能の軽イオンマイクロビーム装置の開発を行った。その後、有機薄膜を通してイオンマイクロビームを大気中に取り出す大気マイクロPIXEシステムの開発を東北大学と行い、ウシの血管細胞内の微量元素分布を画像化することに成功した。また、アスベスト吸引歴のある患者の肺組織を測定し、ケイ素,鉄,マグネシウムの分布が特徴的であり、大気マイクロPIXEがアスベストによる疾病の診断に有用であることを示した。

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