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新規放射性核種「ルテチウム-177」標識抗体によるがん治療の基礎的検討

Preriminaly research of a novel radionuclide (Lu-177) labeled antibody for cancer treatment

石岡 典子; 花岡 宏史*; 飯田 靖彦*; 渡辺 智; 渡邉 茂樹; 織内 昇*; 樋口 徹也*; 橋本 和幸; 遠藤 啓吾*

Ishioka, Noriko; Hanaoka, Hirofumi*; Iida, Yasuhiko*; Watanabe, Satoshi; Watanabe, Shigeki; Oriuchi, Noboru*; Higuchi, Tetsuya*; Hashimoto, Kazuyuki; Endo, Keigo*

近年、治療効果の増強を目的としてRI標識抗体による治療(放射免疫療法)が注目されている。そこで、抗体が腫瘍へ集積するために十分な半減期を有するLu-177(T$$_{1/2}$$:6.7日)を用いて効果的な放射免疫療法を実施するために、$$^{177}$$Lu標識抗体の作製,分析,体内動態に関する基礎的検討を行った。抗CD20抗体に2種類のキレート剤を結合させたDTPA-抗体及びDOTA-抗体を作製した。$$^{177}$$Lu標識を行ったところ、標識率はDTPA-抗体が92.4%, DOTA-抗体44.8%とDTPA-抗体の方が有意に高かった。CD20陽性のバーキットリンパ腫細胞を移植した担癌マウスを作製し、$$^{177}$$Lu標識抗体の体内分布を検討したところ、腫瘍への集積性は$$^{177}$$Lu-DTPA-抗体の方が高かった。また同様のモデルに対して、$$^{177}$$Lu標識抗体による治療実験を行った結果、腫瘍サイズが小さいものでは明らかな腫瘍増殖抑制効果が認められた。また、$$^{177}$$Lu-DTPA-抗体を投与したマウスの一部に腫瘍の縮小が見られ、腫瘍全体が白く変色したことから腫瘍が壊死していることが示唆された。新規RIとして注目されている$$^{177}$$Luで標識した抗体を作製し、治療実験可能な放射能の$$^{177}$$Lu標識抗体を得ることができた。担癌マウスを用いた体内分布実験では$$^{177}$$Lu標識抗体は腫瘍集積性を示し、また治療実験では抗腫瘍効果を認めた。以上の結果より、$$^{177}$$Lu標識抗体の放射免疫療法薬剤としての有用性が示された。

no abstracts in English

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