トレハロース合成にかかわる始原菌由来グリコシルトランスフェラーゼの立体構造解析
Crystal structure of glycosyltrehalose synthase from Sulfolobus shibatae DSM5389
岡崎 伸生; 玉田 太郎; 加藤 優*; 三浦 裕*; 小林 和男*; 黒木 良太
Okazaki, Nobuo; Tamada, Taro; Kato, Masaru*; Miura, Yutaka*; Kobayashi, Kazuo*; Kuroki, Ryota
始原菌Sulfolobus shibatae DSM5389由来のGTSaseの結晶化を行い、SPring-8 BL41XUで測定したデータを用いて立体構造を明らかにした。GTSaseは大まかに5つのドメインに分かれており、-アミラーゼファミリーに広く見られる(/)8バレル触媒ドメインを含んでいる。そのバレル構造中には、一つのグルタミン酸(Glu269)、及び二つのアスパラギン酸(Asp241及びAsp460)が見られ、これらの立体配置は-アミラーゼファミリーに属する他の酵素と同様に保存されていることから、活性中心及び糖分解機構も類似していると考えられる。活性中心を含むクレフトの形状及び性質は基質であるマルトオリゴ糖を収納するに適していた。また、活性中心近傍にはMgイオンと思われる電子密度を中心とし、水分子,グリセロール分子を含んだ水素結合ネットワークが形成されている。本発表では今回明らかにできたGTSaseの立体構造を報告するとともに、立体構造情報とわれわれがこれまでに取得している生化学的知見を統合することにより、GTSaseの触媒機構についても原子レベルで言及したい。
We successed crystallization of glycosyltransferase (GTSase) from Sulfolobus shibatae DSM5389, and determined crystal structure with data which was collected at SPring-8 BL41XU. The enzyme has 729 amino acids and five domains. Domain A is major domain which has (/)8 barrel catalytic domain as in the usual alpha-amylase family enzymes. The catalytic center is located in the center of the (/)8 barrel. In the near (/)8 barrel, electric density of Mg ion is observed. Some hydrogen bonding network is observed, too.