SPEEDI-MPの海水中放射性核種移行予測モデルにおける再処理施設近傍海域での排水放出に関する検討
A Study on the discharge of effluent at the near field of nuclear fuel reprocessing plant by an oceanic radionuclides migration forecast model of SPEEDI-MP
小林 卓也 ; 川村 英之 ; 印 貞治*; 島 茂樹*
Kobayashi, Takuya; Kawamura, Hideyuki; In, Teiji*; Shima, Shigeki*
海洋中における放射性物質等の移行過程を詳細にモデル化するため、海水中放射性核種移行予測コードに鉛直重力噴流過程を追加し、青森県六ヶ所村沖における流動場の再解析値と、再処理施設からの放出情報を用いて2007年11月6日から12月6日までの30日間の適用計算を実施した。放出されたH-3は、11月6日から13日までは、放出口周辺海域では西向流(岸向き)が卓越し、流速が小さいこともあり、1Bq/L以上のH-3は放出口から10km以内の海域に停滞していた。14日から17日は南東流によって南下し、20日頃には南北に広く伸長し、それ以降は広範囲に拡散しながら全体的に南下した。流速の鉛直分布が異なるため、H-3の移行挙動は海表面と放出口深度とでは若干異なることが確認された。鉛直重力噴流を考慮した計算と、鉛直重力噴流を考慮せずに海表面から放出をした計算結果とを比較したところ、放出初期における放出口極近傍域において2つのケースの計算結果に明確な相違が認められ、今回の計算期間では鉛直重力噴流の影響は無視できないことが示唆された。
A numerical simulation model system that consists of an ocean general circulation model and a particle random-walk model to describe the radionuclide migration behavior in the off Rokkasho-mura, Aomori-ken, Japan has been developed. The system has been applied to simulate the nowcast of Rokkasho coastal region in 2007 and hypothetical radionuclide release has been carried out.