世界の高速炉サイクル技術開発の動向,2; 各国のナトリウム冷却高速炉サイクル技術開発の現状と展望

Trends of fast reactor cycle technology development in the world, 2; Current status and prospects of sodium-cooled fast reactor cycle technology development in each country

三島 嘉一郎*; 齊藤 正樹*; 永田 敬*

Mishima, Kaichiro*; Saito, Masaki*; Nagata, Takashi*

本連載の第1回は「加速する高速炉開発:2020年に商用炉の運転開始」と題して主要国で活発化している開発計画を中心に紹介した。今回は、各国が開発に力を注いでいるナトリウム冷却高速炉とその関連する核燃料サイクルについて、2009年12月にIAEA主催で開催された高速炉システム国際会議(FR09)の発表内容を中心に、その前後の情勢も含めて紹介する。ロシアは、これまでのナトリウム冷却炉の豊富な経験、今後に向けては多目的ナトリウム実験炉の建設、安全性向上や高速炉サイクルのプラットフォーム計画など、充実した技術基盤をアピールしている。インドは、燃料形態の変遷、原子炉と併設で建設している核燃料サイクル施設、高増殖を確保するための金属燃料への工夫など、独自技術での開発を目指している。中国は、今年7月に初臨界を達成した高速実験炉で経験を積むとともに、ロシアなどとの技術協力を進めつつある。高速炉システムの設置計画は明確に定まっていないが、開発実績があり影響力の大きい米国の動向も注目すべきところである。一方、韓国,フランス、及び我が国は、将来展望において多くの共通点を持っている。

The 1st of this series that was entitled, "Accelerating Fast Reactor Development: Start of Operation of Commercial Reactors in 2020" introduced mainly the activated development plan and in the major countries. This article introduces the development of the sodium-cooled fast reactor and related fuel cycle that each country is devoting one's energies to development, maily following the presentation in International Conference (FR09) held by organized by IAEA in December 2009, including the situation before and behind the conference. Especially, the development in Russia, India, China, USA, Republic of Korea, France and Japan.