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イオンビームを用いて単離したシロイヌナズナのフラボノイド蓄積遺伝子の機能解析

Functional analysis of the arabidopsis flavonoid accumulation gene isolated using ion beams

北村 智; 鳴海 一成; 峠 隆之*; 山崎 真巳*; 斉藤 和季*; 松田 史生*; 榊原 佳子*

Kitamura, Satoshi; Narumi, Issei; Toge, Takayuki*; Yamazaki, Mami*; Saito, Kazuki*; Matsuda, Fumio*; Sakakibara, Keiko*

シロイヌナズナ乾燥種子に220MeV炭素イオンを150Gy照射し、その後代からフラボノイド蓄積遺伝子${it TT19}$の変異体(${it tt19}$)を得た。${it TT19}$遺伝子が作るTT19タンパク質は、液胞の内腔や外膜ではなく細胞質に存在していることから、フラボノイドを液胞に蓄積するより前に働くと考えられた。通常、フラボノイドは野生型植物で大きな液胞に蓄積するのに対して、${it tt19}$変異体では小型の球状体液胞に蓄積されていた。この小型の球状体液胞では、フラボノイドの構成に異常があり、溶媒不溶性画分を多く含むことが明らかとなった。以上の結果から、TT19タンパク質は細胞質でフラボノイドを保護することによってフラボノイドの液胞蓄積を円滑に行うために必須の因子であることが考えられた。

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