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酸素・窒素のK殻イオン化でDNA関連分子薄膜中に生じた不対電子種のESRによる測定

ESR study of unpaired electron species in thin films of DNA-bases induced by nitrogen and oxygen K-shell photoionization

岡 壽崇   ; 横谷 明徳; 福田 義博; 藤井 健太郎

Oka, Toshitaka; Yokoya, Akinari; Fukuda, Yoshihiro; Fujii, Kentaro

DNA核酸塩基変異の物理化学過程の解明のため、ピリミジン核酸塩基(チミン,シトシン)薄膜のESR測定を行った。標準試料(Mn$$^{2+}$$/MgO)との比較から、軟X線照射中にのみ塩基中に誘起される不対電子の$$g$$値2.000を得た。これは自由電子の$$g$$値2.0023と明らかに異なることから、観測されたESR信号はイオン化により生じた自由電子のものではない。ESR強度の酸素及び窒素のK殻吸収端近傍の軟X線エネルギー依存性を調べたところ、X線吸収微細構造(XANES)を反映したピークが現れた。シトシンのESR強度とXANES強度を比較したところ、イオン化閾値以上のエネルギーにおいてESR強度はXANES強度よりも2倍以上大きかったのに対し、チミンの場合はほとんど変わらなかった。これらのことから、シトシンはチミンと比べて内殻励起・イオン化による不対電子収率が高いことが示唆された。同じピリミジン塩基においてこのような違いが生じた理由は、シトシンの場合、内殻イオン化によって生成した正孔に加えて、光電子やオージェ電子の付着の結果生じるアニオンラジカルを一緒に検出しているためであると考えられる。シトシンはDNA塩基変異過程において、電子の一時的な貯蔵庫の役割を果たしていることが推測される。

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