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立方晶$$Gamma_8$$基底DyB$$_6$$$$mu$$SRによる研究

$$mu$$SR study of cubic $$Gamma_8$$ ground state system DyB$$_6$$

伊藤 孝   ; 髭本 亘  ; 二宮 和彦; 伊賀 文俊*

Ito, Takashi; Higemoto, Wataru; Ninomiya, Kazuhiko; Iga, Fumitoshi*

立方晶DyB$$_6$$$$Gamma_8$$結晶場基底をとり、低温において2段階の逐次相転移を示す。高温側の秩序相では巨視的な格子歪みが観測されており、強四極子秩序が起こっていると考えられている。しかしながら、このモデルでは磁化の温度依存性が説明できないなどの問題が残っている。われわれは、この高温秩序相の性質を微視的な観点から調べるために、J-PARC及びPSIにおいてミュオンスピン回転・緩和法($$mu$$SR)による研究を行った。零磁場における$$mu$$SRスペクトルは緩和率の大きく異なる2成分を含み、これらの強度比は2つの転移温度付近において顕著な変化を示す。これは格子間隙位置における磁気的状態が相転移に伴い大きく変化していることを意味している。さらに興味深いことに、転移温度よりも十分高温の常磁性状態において静的内部磁場の発生を示す信号が観測された。f電子系化合物PrPb$$_3$$においてもPrの増強核磁性に起因する類似の振る舞いが観測されていることから、本件もDyの増強核磁性に関連した現象として理解できるものと考えられる。

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