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線虫${it C. elegans}$の動力学モデリングとシミュレーション

Modeling and dynamics simulation for the nematode ${it C. elegans}$

曽 智*; 山田 泰隆*; 正岡 和弥*; 服部 佑哉; 鈴木 芳代; 辻 敏夫*; 大竹 久夫*

Soh, Zu*; Yamada, Yasutaka*; Masaoka, Kazuya*; Hattori, Yuya; Suzuki, Michiyo; Tsuji, Toshio*; Otake, Hisao*

生物は、進化の過程において、刺激情報処理や運動制御の複雑で優れたメカニズムを獲得してきた。近年、生物学分野では、従来の実験的な手法に加えて、コンピュータモデルを用いてそのメカニズムを解明しようというアプローチが注目されている。線虫${it C. elegans}$は、神経接続の構造が明らかにされている唯一の多細胞生物であることから、刺激情報処理メカニズムや運動制御メカニズムを対象としたコンピュータモデルが提案されてきた。しかしながら、特に運動制御・生成メカニズムに関するモデルでは、運動制御を担う神経回路と神経情報処理の結果としての運動(行動)が切り離されて扱われてきたために、運動メカニズムの解明に資するモデルは未だ確立されていない。そこで、本研究では、神経回路と行動を繋ぐ動力学的な視点から、線虫の運動制御・生成を担う神経回路及び全身の筋を表現する実構造ベースのモデルを構築する。そして、これを用いて、運動時に身体と環境との間に働く摩擦力や筋細胞の出力のように実験的手法による計測が極めて困難な生体情報を推定する。

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