検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

共鳴非弾性X線散乱によるLuFe$$_2$$O$$_4$$におけるフラストレートした電荷揺らぎの観測

Fluctuation of frustrated charge in LuFe$$_2$$O$$_4$$ observed by resonant inelastic X-ray scattering

石井 賢司; 吉田 雅洋; Jarrige, I.; 水木 純一郎; 中 惇*; 石原 純夫*; 池田 直*

Ishii, Kenji; Yoshida, Masahiro; Jarrige, I.; Mizuki, Junichiro; Naka, Makoto*; Ishihara, Sumio*; Ikeda, Naoshi*

LuFe$$_2$$O$$_4$$は、平均+2.5価のFe原子が二重層三角格子を形成しており、Feサイト間のクーロン相互作用によって電荷フラストレーションがある系と見なすことができる。実際には、$$T_{rm co}$$=320K以下で3倍周期の電荷秩序が生じる。われわれは、この二重層三角格子内でのフラストレーションの効果をエネルギー・運動量空間での電荷揺らぎの観点から調べることを目的として、鉄のK吸収端での共鳴非弾性X線散乱(RIXS)を行った。遷移金属のK吸収端でのRIXSでは、定性的ではあるが電荷の動的相関関数が観測可能であり、揺動散逸定理によって電荷揺らぎと結びつけられる。測定の結果、Feの2価と3価の揺らぎに対応するエネルギー領域(約1eV)の散乱強度が、電荷秩序の融解する温度($$T_{rm co}$$)付近よりも高温側で増大していることがわかった。この強度の増大は電荷秩序の波数である$$q=(1/3,1/3)$$だけでなく、$$(1/2,0)$$, $$(1/4,1/4)$$でも観測される。一方、$$q=0$$ではそのような増大は見られない。理論的にも2倍,4倍周期は3倍周期とエネルギー的に接近していることが示されている。観測された複数の波数で揺らぎの増大は、相互作用のエネルギー($$sim$$1eV)は高いにもかかわらず低温($$sim T_{rm co}$$)まで複数の状態が縮退し揺らいでいるというフラストレーション効果の特徴を実験的にとらえたものと考えている。講演では、フラストレーションのない系での電荷揺らぎとの類似点,相違点にも言及する予定である。

no abstracts in English

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.