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線虫の咽頭筋のモデル化; 放射線影響解明のための計算論的アプローチ

Modeling of the pharyngeal muscle in $textit{Cenorhabditis elegans}$; A Computational approach for understanding radiation effects

服部 佑哉; 鈴木 芳代; 辻 敏夫*; 小林 泰彦

Hattori, Yuya; Suzuki, Michiyo; Tsuji, Toshio*; Kobayashi, Yasuhiko

これまでに、放射線を線虫の全身に照射すると、エサを咀しゃく・嚥下する咽頭筋の高速な収縮・弛緩(ポンピング運動)の頻度が一時的に低下することを明らかにした。このことは、線虫のポンピング運動を制御する神経細胞や咽頭筋細胞に放射線が何らかの影響を与えている可能性を示唆しているが、個々の細胞にどのような変化が生じているかは不明のままである。そこで、本研究では、数理モデルを用いて個々の細胞の活動をシミュレートし、放射線による線虫の運動変化を細胞レベルで探る手法を提案する。線虫のポンピング運動を担う咽頭筋細胞の接続構造は既知であるため、実構造に基づいた数理モデルを構築し、筋細胞の活動として膜電位をシミュレートする。また、各筋細胞の膜電位変化に伴って咽頭筋全体が発する電位(咽頭筋電位)を計測することができるため、本モデルを用いてシミュレートした個々の咽頭筋細胞の膜電位から咽頭筋電位を算出することで、本モデルの咽頭筋電位と実測値が比較できる。数値実験により、本モデルを用いて算出した咽頭筋電位が、野生型線虫(非照射)の咽頭筋電位をよく再現していることを確認した。また、ポンピング運動に異常のある突然変異体に着目し、機能異常のあるギャップ結合の特性をモデルに反映させることで、当該突然変異体の応答を再現することにも成功した。講演では、本手法を応用して、ポンピング運動を変化させる放射線の作用機序を細胞レベルで探る試みを紹介する。

no abstracts in English

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