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人工海水での海産プランクトンの培養とTIARAマイクロビームPIXEシステムによる元素分布図

Culture of marine plankton in artificial seawater and elemental distribution using microbeam PIXE system at TIARA

岩田 吉弘*; 高橋 祥子*; 石井 慶造*; 佐藤 隆博; 神谷 富裕

Iwata, Yoshihiro*; Takahashi, Shoko*; Ishii, Keizo*; Sato, Takahiro; Kamiya, Tomihiro

本研究では、食物連鎖による生物濃縮過程の解明を目的に、PIXE(particle induced X-ray emission)及びマイクロPIXEによる、植物プランクトンとこれを捕食する動物プランクトン内の元素の定量評価法を検討している。今回は、まずこれらの プランクトンを元素濃度が異なる2種類の培養液(熱帯魚用人工海水及び濾過海水)中で培養した場合のプランクトン内の元素存在量についてPIXE分析により定量比較した。その結果、どちらのプランクトンでも培養液の違いによってMgとZnについてのみ存在度が異なり、他の元素については大きな差がないことを確認した。このことは人工海水培養液で生物濃縮の実験ができることを示している。さらに、人工海水培養液で飼育した動物プランクトンについてマイクロPIXE分析を行い、各種微量元素の分布図を取得可能であることと、個体内の微量のFeの定量も可能であることを確認した。以上から、食物連鎖による生物濃縮過程の解明研究に、PIXE及びマイクロPIXEが応用可能であることが示唆された。

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