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中性子構造解析によるタンパク質の水素原子の決定

Determination of hydrogen atom positions in protein by neutron crystallography

玉田 太郎; 栗原 和男; 山田 貢; 黒木 良太

Tamada, Taro; Kurihara, Kazuo; Yamada, Mitsugu; Kuroki, Ryota

生命活動を担うタンパク質の機能を解明するには、タンパク質の構成原子の半数を占める水素原子の位置や特徴を知る必要がある。中性子の原子核による散乱は、原子の種類に依存するという特徴を有するので、中性子をプローブとする結晶回折法では、タンパク質を構成する水素原子の位置を容易に決定できる。原子力機構の研究用原子炉JRR-3に設置された2台の生体高分子用中性子単結晶解析装置(BIX-3, 4)は、PDBに登録された中性子構造(58件)の約1/3の解析に寄与しており、われわれが初めて中性子解析に成功した創薬標的タンパク質(HIV-プロテアーゼやブタ膵臓エラスターゼ)と医薬品候補分子(阻害剤)複合体の全原子構造決定の成果も含まれる。これらの解析では、創薬標的タンパク質の触媒残基の解離状態を明らかにするだけでなく、阻害剤との相互作用様式を、水素原子の寄与を含めて明らかにすることができた。また、われわれは京都大学や兵庫県立大学と共同で、大強度陽子加速器施設(J-PARC)へのタンパク質解析専用のビームラインの建設を提案している。このビームラインは構造生物学研究者の共同利用を目的としており、従来の回折計では対応できなかった250${AA}$を超える大型結晶格子を持つタンパク質解析専用の中性子回折計を設置することにより、膜タンパク質やタンパク質複合体の中性子構造解析が可能となり、タンパク質の機能発現機構の原子レベルでの解明に大きく貢献すると考えられる。

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