面内磁化させた強磁性体のスピン偏極陽電子消滅

Spin-polarized positron annihilation from in-plane-magnetized ferromagnets

河裾 厚男; 前川 雅樹; Zhang, H.; 深谷 有喜   

Kawasuso, Atsuo; Maekawa, Masaki; Zhang, H.; Fukaya, Yuki

ドップラー拡がり測定法によるバルク強磁性体のスピン偏極陽電子消滅実験から、磁性電子の運動量分布の研究が可能であることを示してきた。他方、スピントロニクスにおける強磁性体から非磁性体へのスピン注入効果や磁気抵抗効果などを考えるとき、強磁性薄膜においても同様の研究を進める必要がある。強磁性薄膜の多くは、面内に磁化する。さらに強磁性表面電子のスピン偏極状態も重要な研究課題と考えられる。そこで本研究では、面内に磁化できるサンプルホルダーを作製しスピン偏極陽電子消滅実験を試みた。その結果、Fe(001)/MgO(001)の面内磁化に伴う電子運動量分布の磁場反転効果を観測することに成功した。

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