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CENP-Aヌクレオソーム特異的なDNA構造の構造生物学的・生化学的解析

Biochemical and structural analyses of the DNA dynamics in the CENP-A nucleosome

白山 一義*; 有村 泰宏*; 立和名 博昭*; 河野 秀俊; 胡桃坂 仁志*

Shirayama, Kazuyoshi*; Arimura, Yasuhiro*; Tachiwana, Hiroaki*; Kono, Hidetoshi; Kurumizaka, Hitoshi*

真核生物において、DNAはクロマチン構造によって核内にコンパクトに収納されている。クロマチン構造は4種類のコアヒストン(H2A, H2B, H3, H4)各2分子ずつから構成されるヒストン8量体に、DNAが巻き付いたヌクレオソームとよばれる基本単位から形成されている。H4を除く各コアヒストンにはそれぞれバリアントが存在し、ヒストンバリアントを含むヌクレオソームは、それぞれ特異的な機能を発揮することが知られている。H3バリアントであるCENP-Aは、有糸分裂時に微小管が結合するセントロメアの形成位置決定に必須である。我々は、ヒトCENP-Aを含むヌクレオソームは、標準的なH3ヌクレオソームに比べ、両端のDNAがヒストン8量体から解離した構造をもつことを明らかにしてきた。このようなフレキシブルなDNAの構造は、出芽酵母のCENP-AホモログであるCse4を含むヌクレオソームでも報告されている。このことから、CENP-Aヌクレオソームの特殊なDNA構造は進化的に保存されており、セントロメア形成に重要な機能をもつと考えられるがその詳細な機構は明らかではない。そこで、CENP-Aヌクレオソーム特異的なDNA構造を生み出す要因となっているアミノ酸残基の同定を試みた。まず、CENP-Aヌクレオソームの結晶構造解析および分子動力学シミュレーション解析から、W47, K49, K53がDNA構造の大きな揺らぎを生み出す要因として推定された。次にそれらのアミノ酸をH3.1と相互置換した変異体ヒストンを含むヌクレオソームを試験管内で再構成した。そして、生化学的および構造生物学的手法を用いた解析の結果、変異体H3.1 A47Wを含むヌクレオソームにおいて、ヒトCENP-Aヌクレオソームと同様に両端のDNAが開いた構造を形成することが明らかになった。本会ではこれらの解析結果について報告し、CENP-Aヌクレオソームが特殊なDNA構造およびクロマチン構造を形成するメカニズムついて議論する。

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