軟X線レーザープローブを用いた金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程の時間分解計測

Time resolved observation of the femto-second laser ablation dynamics by using the soft X-ray probe

長谷川 登; 錦野 将元; 富田 卓朗*; 武井 亮太*; 江山 剛史*; 柿本 直也*; 羽富 大紀*; 大西 直文*; 馬場 基芳*; 河内 哲哉; 山極 満; 末元 徹

Hasegawa, Noboru; Nishikino, Masaharu; Tomita, Takuro*; Takei, Ryota*; Eyama, Tsuyoshi*; Kakimoto, Naoya*; Hatomi, Daiki*; Onishi, Naofumi*; Baba, Motoyoshi*; Kawachi, Tetsuya; Yamagiwa, Mitsuru; Suemoto, Toru

フェムト秒レーザーポンプ・軟X線レーザープローブ計測法を開発し、フェムト秒レーザーアブレーション過程の観測を開始している。プローブ光に採用した「レーザー生成プラズマ方式の軟X線レーザー(波長13.9nm)」はシングルショット計測に十分な強度を持ち、可視光よりも到達可能な分解能が高く、かつ物質に対する浸入長が小さいため、物質表面の高精度観測に最適である。レーザーアブレーション過程は、初期過程における変化が高速(ピコ秒)である反面、粒子が飛散する過程はマイクロ秒程度と長い時間をかけて行われる。我々は、この様な現象を同一の装置で観測するため、ポンプ光とプローブ光を異なる発振器で発生させることで両者の遅延時間を数ピコ秒の時間精度を保ちつつ、マイクロ秒以上の幅広い時間に対応させた。今回は本システムを用いることで、金属のフェムト秒レーザーアブレーション過程において、その初期(数ピコ秒)に金属表面から剥離した薄膜が、マイクロ秒程度まで膜としての形状を保持したまま膨張することを新たに見いだした。

We have observed the temporal evolution of the femto-second laser irradiated metal surface by using the soft X-ray laser probe at the wavelength of 13.9 nm. The initial dynamics of the fs-laser ablation is quite rapid ( a few ps) and the dynamics of the laser processing is kept for a long time. We have developed a new pump and probe system to measure these phenomena by the same set-up. By using this system, we have succeeded to obtain the temporal evolution of the ablation front exfoliated from the laser ablated gold surface.