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世界中で整備が進む構造生物学中性子回折装置と最近の成果

Recent progress of neutron diffractometers for biological macromolecules

黒木 良太

Kuroki, Ryota

世界の中性子施設には、着々と構造生物学研究用中性子回折計の整備が進みつつある。2014年度には世界中で7台(JRR-3の2台を除く)の中性子回折計が稼働する予定である。これらの中性子回折計には、定常炉中性子源に設置された回折計4台とパルス中性子源に設置された3台が含まれる。大型パルス中性子源に設置された中性子回折計だけでなく、定常炉中性子回折計も新たに3台が本格的な稼働を始める。構造生物学研究者の中性子利用をさらに拡大するには、中性子回折データを、より小型結晶で短期間に取得する必要がある。そのためには、試料タンパク質結晶の大型化技術や完全重水素化試料の作製技術の高度化が急務である。近年フランスのラウエ・ランジュバン研究所(ILL)で実施された創薬標的タンパク質の中性子構造解析では、完全重水素化試料を用いることによって、従来必要であった試料体積の約1/10(0.2mm$$^{3}$$)でのデータ収集が可能となっている。また日本国内の構造生物学研究者の要望から、現代の構造生物学研究の花形領域である"膜タンパク質"や複数のタンパク質が会合した"タンパク質複合体"の解析に対応でき、共同利用を目的とした中性子回折計をJ-PARCに設置することを計画中である。これが実現すれば、構造生物学研究領域の発展だけでなく医薬品や生体触媒など有用分子の創製への貢献も期待できる。

no abstracts in English

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