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540keV C$$_{60}$$イオン照射による非晶質シリコン窒化膜のスパッタリング

Sputtering of amorphous SiN films induced by 540-keV C$$_{60}$$ irradiation

北山 巧*; 森田 陽亮*; 中嶋 薫*; 木村 健二*; 鳴海 一雅; 齋藤 勇一; 松田 誠  ; 左高 正雄*

Kitayama, Takumi*; Morita, Yosuke*; Nakajima, Kaoru*; Kimura, Kenji*; Narumi, Kazumasa; Saito, Yuichi; Matsuda, Makoto; Sataka, Masao*

サブMeV C$$_{60}$$イオン照射によって非晶質SiN膜中に形成されるイオントラックの微細構造を調べる研究の過程で、C$$_{60}$$イオン1個で数千個の標的原子がスパッタリングされることを示唆する実験結果を得た。この現象を詳細に調べるために、Si基板上の非晶質SiN膜(厚さ30nm)に540keV C$$_{60}$$$$^{2+}$$イオンを照射し、高分解能ラザフォード後方散乱法によってそのスパッタリング収量を評価した結果、およそ5000atoms/ionであった。この観測結果は弾性衝突によるスパッタリングでは説明できない。一方、非晶質SiN膜への100MeV Xe$$^{25+}$$イオン照射では、C$$_{60}$$イオンに比べて電子へのエネルギー付与が約2倍大きいにもかかわらず約1桁小さなスパッタリング収量が観測された。したがって、電子励起によるスパッタリングでも今回の結果は説明できない。そこで電子的阻止能${it S}$ $$_{e}$$、核的阻止能${it S}$ $$_{n}$$からなる有効阻止能${it S}$ $$_{eff}$$ = ${it S}$ $$_{e}$$ +${it K}$ $$_{eff}$$${it S}$ $$_{n}$$(${it K}$ $$_{eff}$$は定数)を導入し、${it K}$ $$_{eff}$$ = 2.5とすると観測されたスパッタリング収量が有効阻止能の4乗に比例することがわかった。さらに、イオントラックの半径も有効阻止能で説明できることがわかった。${it K}$ $$_{eff}$$の値が持つ物理的意味の検討は今後の課題であるが、今回の結果は、電子励起効果が大きい材料でのイオン照射による原子変位には、電子励起と相乗して弾性衝突が大きく寄与するということを示している。

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